山口浩一教授、世界最高密度の量子ドットを導入した半導体レーザを開発
山口浩一教授の研究グループが、世界最高の量子ドット密度を実現し、低内部損失で高利得の量子ドットレーザを開発しました。
【電気電気通信大学ニュースリリース 】https://www.uec.ac.jp/news/announcement/2022/20220201_4128.html
この研究内容は、今月発刊の「Compound Semiconductor magine 誌 」(London)にて、注目論文として掲載されています。
【Compound Semiconductor magine】https://compoundsemiconductor.net/magazine
RESEARCH REVIEW https://data.angel.digital/pdf/Compound_Semiconductor_Issue_1_2022.pdf (62ページをご覧ください。)
その他複数のメディアにて紹介されています。
・OPTRONICS ONLINE https://optronics-media.com/news/20220201/76230/
■ポイント
*世界最高の量子ドット密度を実現し、低内部損失で高利得の量子ドットレーザを開発した
*量子ドットの超高密度化により、少ない量子ドット積層数、短い共振器長、高反射ミラーコートのない構造で比較的高温で安定したレーザ発振に成功
*本技術を基にしたさらなる量子ドットの高均一化により、超低消費電力化、超高速変調の量子ドットレーザの実現が期待される
■概要
山口浩一教授(基盤理工学専攻)らの研究グループは、世界最高の量子ドット密度を実現し、低内部損失で高利得の量子ドットレーザを開発しました。
量子ドットを半導体レーザに導入する研究開発は活発に進められています。従来の量子ドットは面内密度が低く、均一性も十分でないために、量子ドット層を多数積層した構造が不可欠でした。また、共振器の幅を長くしたうえで、端面には高反射ミラーのコーティング膜を形成する必要がありました。 本研究では、量子ドット密度が従来比10倍以上の世界最高密度化に成功し、半導体レーザの活性層に導入しました。従来の量子ドットレーザは、光学利得を増やすために量子ドット層の多数積層化(10層程度)、長い共振器長(数mm)、高反射ミラーのコーティング膜が必要だったのに対し、今回はわずか2層の導入で、共振器長も短く(200µm程度)、高反射ミラーのコーティング膜も施さない構造であるにも関わらず、比較的高い温度において安定したレーザ光の発振に成功しました。
今後、この面内超高密度量子ドットの高均一化がより進むと、超低消費電力でかつ超高速変調、さらなる高温動作が可能な量子ドットレーザの実現が期待されます。
成果は応用物理学会発行の英文論文誌「Applied Physics Express」に掲載されました。
■今後の期待
量子ドットの超高密度化により、少ない量子ドット積層数、短い共振器長、高反射ミラーコートのない構造で安定したレーザ発振に成功しました。本技術を基にして量子ドットのさらなる高均一化を進めることで、超低消費電力化、超高速変調の量子ドットレーザの実現が期待されます。
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