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Research

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透明型次世代太陽電池の開発

カーボンニュートラルを実現には、温室効果ガスの排出が8割以上を占めるエネルギー分野の出方が鍵となります。地上や屋上への太陽光発電の設置は飽和しつつある中、これまで推進してきた再生可能エネルギーの導入量をさらに拡大し、十分な創エネルギー量を得るためには、変換効率の向上や壁面や窓等を活用した設置面積の拡大が不可欠でしょう。設置面積の拡大を考える時、壁面は老朽化や強度不足、施工困難など、現実的な問題を抱えていますが、設置や更新が比較的容易な壁面の開口部(すなわち窓の様な部分)に、全透明型の太陽電池を設置することが可能になれば、再生エネ導入の飛躍的な拡大が期待できるのです。

本研究ステーションでは、基幹テーマの一つとして窓用太陽電池として受け入れられる外観を持ちながら、建築材料の要求性能も満たし、さらに商用電力価格以下の発電コストを備え持ち、かつ経済性も加味した“透明型量子ドットペロブスカイト太陽電池”の開発を推進しております。

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半導体型光電極を用いた水素生成技術

水素は宇宙でもっとも軽く、豊富に存在する元素です。単体ではほとんど存在しませんが、水やメタン、アンモニアなど、我々の身近な物質に含まれており、燃やしても発生するのは水だけなので、カーボンニュートラルの実現に向けたクリーンなエネルギーとして注目されています。

水素の活用は様々な形で推進されています。例えば、生成した水素をボンベに充填したり、液化して容器に貯蔵することで、長期に渡る保管や、長距離輸送も可能になり、気候変動の影響を受けやすい再生可能エネルギーを補完する安定的なエネリギー源としての役割が期待できます。また、二酸化炭酸(CO2)を溶け込ませた電解液を還元することで、炭化水素からメタン、エタン、メタノール、エタノール、エチレンなどのアルコールを生成するCO2回収技術としても活用が期待されています。

水素の生成には様々な方法がありますが、太陽光の照射下で水を安定的に酸化し、電気エネルギーの印加なしで駆動することができる光電極となる半導体材料の存在は、まだほとんど知られておりません。当研究ステーションでは、この高効率で水素を生成する半導体発電システムの構築に注力しております。下図に示すように、このシステム構築には、光電極である半導体材料の開発が鍵となります。半導体ごとに利用できる光の範囲が異なるため、より広範囲なスペクトルに対応可能な半導体材料の開発が望まれます。課題として、より理想的な半導体電極を作ることが必要になりますが、現在、理論的にベストな構造は分かっているものの、その作製方法は確立されておりません。また、理論的なエネルギー変換効率の向上が想定されても、予想通りになるか否かは実験的に検証してみなければわかりません。そこで当水素プロジェクトでは、AIと材料物性計算を融合し、機械学習や強化学習そして数理最適化アルゴリズムを用いて高効率光電極の探索スキームを構築します。探索した結果を速やかに実験に反映し、実験結果の検証を通して、さらに予測モデルの精度を高め、より合理的な高効率水素生成用の探索AIモデルを構築します。AIを用いた光電極の探索と逆設計により、従来の経験と勘のみに基づく材料・システム開発に比べ開発期間の大幅な短縮が期待できます。

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